寒い時代だと思わんかね……


米陸軍、マシンガンを装備したロボット「Talon」を2005年導入へ

TVニュースで知ってネットの記事を見つけて来たんですけど、世界は恐ろしい方向に進もうとしているなあ、と思うのと同時に、アニメ番組でなんですが、「新機動戦記ガンダムW」という作品を思い出してしまいました。

この作品の中盤に、ある科学者の発案で「モビルドール」と言うコンピュータ制御の無人のロボットが登場してきます。
軍の上層部は兵士のいらない忠実な戦力に大喜びしますが、現場の指揮官のトップに君臨していたトレーズはモビルドールの使用に異を唱えます。

私はロームフェラー財団の進む道に賛同しかねます。
古き良き伝統とは人間の奥深い感情が築き上げたいたわりの歴史
私は戦うことが時に美しいと考えるとともに
命が尊いことを訴えて
失われる魂に哀悼の意を称したい。

私は人間に必要なものは絶対的な勝利ではなく
戦う姿、その姿勢と考えます。

しかし、モビルドールという心無き戦闘兵器の使用を行う
ロームフェラー財団の築く時代は後の世に恥ずべき文化となりはしないでしょうか。

また、戦わずにいられない人間性を無視する完全平和を称えるなど
宇宙コロニーの思想はその伝統を知らぬ哀れな世迷言として感じておりました。

しかし、その境遇の中から新たな戦士が生まれました。
それがガンダムパイロット達なのです。
彼らの純粋性に満ち溢れた感情の前には伝統はかすんで見えることでしょう。
守るべきものを失い、さらに守ってきたものに裏切られた戦士は歴史上敗者なのです。
しかし、彼らにその認識はない。
それどころか彼ら自身は戦う意志に満ち溢れているのです。


美しく思われた人々の感情は常にかなしく
重んじた伝統は弱者達の叫びの中に消え失せる。
戦いにおける勝者は歴史の中で衰退という終止符を打たねばならず
若き息吹は敗者の中より培われていく

私は
敗者になりたい


まあトレーズのように戦う人に美意識を覚えるような、妙な性癖はありませんが……

人が戦う事を肯定するつもりはありません。
しかし、犠牲というリスクを忘れてしまった戦争に終わりはあるのでしょうか?
ひょっとすると、敵が一人残らず死に絶えるまで止められない狂気に陥ってしまうのではないでしょうか。
無人兵器が有能であればあるほど、敵もまた同じ兵器を手にするかもしれません。
そうなったら核により冷戦の比じゃない全面戦争が本当に始まってしまうかもしれません。

好敵手足りえる大国を失ったアメリカの迷走が、世界を滅ぼさないかマジで心配です……