電撃!! イージス5（谷川流）[電撃文庫]

http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?isbn=4-8402-2852-3

変人科学者として名をはせる祖父の監視を両親から命じられ、祖父宅を訪れた僕。
ところが祖父の姿はなく、なぜかそこに住んでいた五人の美少女たちと一緒に暮らすことになり、しかもこの世界は他次元侵略体なるものに侵略されているとのこと……。
そんなこんなで苦労している僕に向かって祖父宅を管理するエロ人工知能は、『この数日間、風呂も覗かなければ寝込みも襲わない』と嘆く始末――。
いったい僕にどうしろと？

うーん、普通。ホントに普通。
谷川作品は「ハルヒ」が○、「学校を出よう」が×と言う個人的には一勝一敗という好みが微妙な作者さんなのですが、今回は……一引き分け？（謎

電撃萌王って雑誌の読者参加ゲームが元の小説の文庫化のようですが、おそらく本誌で大きく掲載されていたと思われるイラストが、かなり縮小されてしまってるのが残念。
ビジュアル重視はライトノベルではよくあるんですし、本誌でのサイズは無理でも、文庫の普通の挿絵サイズで見せて欲しいなあ。

中身に関しては、とにかく一人称である主人公が無個性と言うか、決して消極的なキャラじゃないんですけど、破天荒な毎日にもまったく動じる様子もなく、淡々とした状況、心理描写を徹底しているのでドタバタコメディやってるはずなのに何事もなく話しが進んでいるような錯覚を受けて……どうも盛り上がりに欠けるって感じがしました。

ふと思ったんですが、これまでの谷川作品って必ずメインキャラに、確信的に迷惑な行動を取る人、トラブルを楽しみ周囲の人間を否応無く巻き込むキャラがいたんですよね。
本作品ではそれに近いキャラはいても、そこまで場を巻き込むキャラがいないんですよね……話が盛り上がりを感じないのはその辺りが原因かも。

ガニメーデスはエロ発言を連発してますが、主人公はまったく乗ってこないからなあ……