ファントム INTEGRATION(ニトロプラス)ネタバレ注意

ファントム INTEGRATION


志賀ルート、もとい美緒ルートをクリア(笑)

好きな人には申し訳ないけど、初代ファントムをプレイした頃からこの話は志賀のためのシナリオだ、と認識していますので(^^;

この志賀というキャラクターには強く共感する部分があるんですよ。
いわゆる典型的な参謀キャラでありながら、梧桐という豪快で気風の良い男に憧れ慕っていた、というのがよくわかります。
多分、志賀という男は臆病な人間だったんだと思います。
何か行動をする前に、その先を考えてしまってやる前から「無理だ」と諦めてしまうタイプなんでしょう。
それは思慮深さでもあるとは思いますが、ここ一番の勝負というのが出来ない事は、男として忸怩たる思いがあった事だと思います。
しかし、梧桐はまったく逆の度胸を持っていた。
そこに男の理想を志賀は見て憧れていた。
でも、自分はそうはなれないと思っていた。
それは自分の器さえも「この程度」と先読みしてしまった結果です。
だからせめて、彼の役に立ちたいと思って、彼の足りない部分を補う、冷静な計算役をかって出たんでしょう。

しかし、皮肉にもその彼の思慮深さが、敬愛する語桐こそが組織にとって不要、むしろ邪魔である事を彼は知ってしまった。
だから彼は自分の考えた最善の行動をしてしまった。
その事を後悔すると知っていながら。それが酷く悲しい。

そしてその思いは、梧桐の愛した妹・美緒へと方向を変え、やがてはその身を持って彼女を守る事になってしまう訳で……


ここで不思議だったのは、彼が語桐を殺めたのは組織のためだったはずです。
しかし、彼は組織のボスである組長の命を無視してまで、美緒の救出を図って、勝ち目など無いサイスとの戦いを決断しました。

これは矛盾してます。
しかし、理解できる矛盾です。

結局、彼もまた敬愛する梧桐を殺めた時から、どこか狂ってしまったんだと思います。
組のため、とひたすらに生きてきた彼は、いつしか梧桐のような、大事な者の為なら躊躇い無く勝ち目の薄い勝負でも戦うという無茶のできる男になっていたのでしょう。

当人はその事をどこまで理解していたかは怪しいですが、諦めていた理想に近づけた彼は本望だったんじゃないでしょうか……