カルタグラ〜ツキ狂イノ病〜(Innocent Grey)

こんな萌えキャラじゃない!


ALLクリアしましたが……さてどう評価したら良いものか。
話の筋を詳細に語っても退屈だし、細かい疑問点の列挙も辛い。

プレイした直後としては、それなりに満足はしてるんだけど、よくよく考えてみると細かい疑問点もあるし、後味の悪い結末も微妙なんですけどね。


少々ネタバレ気味なんで注意を。


無秩序に思いついた事を書いてきますが、

・凛、楼子を救うルートが無い。

……どちらもホントに良い娘だけに、最初はマジ凹みました……
特に凛は、最初から主人公に積極的にアタックしていて、ユーモアもあり、楽しいキャラだっただけに残念。
どちらも完全に巻き込まれただけの被害者だしなあ……
終盤で、どちらも秋五に想いを寄せていた為に狙われた、と言うのを知るとまたショックだし。


・メガネ二人、オイシイとこ取り過ぎ(笑)

最初から最後までその変態っぷりをとことん披露しまくってた、エロゲ至上1・2を争うほどの萌えない変態妹(笑)七七のトゥルーでの推理を披露する場面……完全にミステリの名探偵役(笑)
こういうトンでもないキャラは好きですけど、流石にヒロインとしては萌えないよねえ。
主人公の立場無さ過ぎです(^^;

で、もう一人、凶悪な面で最初から主人公に敵対的で、いかにもこいつは悪者っぽいですよ、と思わせていた八木沼刑事の意外な活躍もオイシイなあ、とこれまでの嫌なイメージを払拭……まではしませんが、良かったです。
何気に怪我した主人公を気遣うような言葉も掛けたりして、笑えました。


・初音の存在の意味は……

結ばれるENDのあるキャラなんですが、よく考えると本筋とはまったくと言っていいほど絡んでなかったなあ……
巻き込まれただけとは言え、乙羽や凛の方がよっぽど絡んでたかと。
初音ルートも、結ばれると同時に事件・依頼を放り出して幸せになる、という消化不良な形のため、幸せなラストなんですけど、トゥルーエンドを見た後では、かなり印象がうすくなっちゃいました。
殺伐とした展開、ラストが多い中で、一つの抜け道と言うか、清涼剤的存在だったんでしょうか……


・冬史って秋五の事、最初から好きだったんですね。

彼女と結ばれる話も無いのは少し残念。
強面な姿に反して、家庭的なとこもあったので、ちょっと変わったツンデレになれたかもしれないのに!(笑)
しかし、冬史は秋五のどこに惚れる要素があったのか……と言うのはエロゲ主人公に言ってはいけないか。


・秋五って……無能?

いや、だって、この人の行動を冷静に考えると酷いですよ。
割と推理の材料はあったはずなのに、ほとんど纏めて検討する様子が無かったし、
焦ると本当に考えなしに走り回るし……時々見せる機転ってのも、
ちゃんと情報を検討してればわかりそうな事を、
ご都合主義で思い出すだけに頼ってるのは危険でしょ。
とても有島刑事の言うような、「優秀」な刑事だったとは思えません。
しいて言うなら彼は「愚直」なんだと思います。
そうした一本気な性格ってのは、悪い事ばかりでも無いですけど、
探偵には向いてないですよね……七七の方がよっぽど優秀です。変態だけど(^^;



まさに「妄執と狂気に至る愛」と言う感じで、トゥルーではそれなりに明るい未来を指しつつも、どうにも後味の悪さが残るゲームですが、それを許容できれば中々に楽しい作品でした。

インパクト、という意味では七七は何度も言うようですが凄すぎ。
一介の女学生が何でそんなに優秀なんだ、とも思えたりもしますが、その辺りは漫画的キャラクターと考えればまあ、普通……じゃないけど。
本気で兄に欲情するし、Mっぽいとこもあるし(笑)