はにかみトライアングル (電撃文庫)(五十嵐雄策)

最近ついてない事が多い主人公・水上弘司は、キーワードは“困ってるもの”という幼馴染みの占いを信じて、小学生にいじめられていた仔ネコ、誰にも相手をされない募金活動のお姉さん、花見でゴミ溜めのように汚された桜の木を助けたのですが……。仔ネコにはひっかき噛みつかれ、募金箱には間違って一万円札を入れ、桜の木の傍では痴漢に間違えられたりと、以前よりも散々な目に遭ってしまうのです。
 でも、その夜、トリプル赤面ラブコメディは突然に──!? 

バジリスクで鬱になった後は、ベタベタなラブコメ小説で口直し(笑)


どこにでもいそうな平凡な主人公が、無邪気娘、天然お姉さん、高飛車ロリ、勝気な幼馴染に好かれてドタバタラブコメする、というまあとにかく昨今のエロゲとかでは非常にお約束な展開のまんまなストーリー。


この筆者の前作も似たようなベタベタラブコメでしたが、今作品も良いです。
まあ卑怯なくらいにお約束な設定に、お約束な展開に終始するんですけど、
文章に嫌味が無いと言うか、非常に読みやすい文体な気がします。
波乱らしい波乱もほとんど無いせいか、名作とか、強く印象には残らないんですけどね……次から次へと販売されるラノベとしては、ある意味理想的な「読み捨てれる作品」と言えるかもしれません。
「読み捨てる」と言うと語弊があるかもしれませんが、正直、私のように次から次へと毎月何冊もラノベを買って読む人間としては、何度も繰り返し読み直さないと理解し難いようなストーリーは、読んでて疲れてしまうんですよ。
ちょっとした暇つぶし。
読んで「面白かった。終わり」で済む作風ってのもラノベとしては悪くないと思います。


……つか、こんなラブコメのお約束を知り尽くしてるような作者の経歴みたら、アメリカ帰りの帰国子女で、弁護士志望って聞くと何かの冗談じゃないか、と思うのは私だけでしょうか?(笑)