マンガ

リンガフランカ
リンガフランカ(滝沢麻耶)[アフタヌーンKC]


昨年、「おおきく振りかぶって」にハマって、思わず買い始めた月刊アフタヌーンにて、ちょうど短期集中連載として始まった作品でしたが、コレにも同様にハマってしまった一作。


有名な噺家(落語家)の長男である笑太は、優秀な弟に対して、落ちこぼれて噺家への道を挫折しながら三流芸人として鬱屈な日々を送っていましたが、偶然出会った漫才志望の変人・岸部と成り行きのままにコンビを組んで若手漫才師の大会に出る事になってしまい……というストーリー。



出会いはファミレス(笑)
思わずツッコミ入れる方も相当変人ですけど(^^;


私は元来、笑いのストーリーが好きで、それでいてまったく逆の重苦しい、複雑な人間心理の葛藤等についてのストーリーも好きなんですが、この作品には、その両方がこれでもか、と言うくらい詰め込まれてます。

「笑い」の道に生きながら、当人たちはとても深刻なトラウマを抱えていて、またそれが彼らの面白さ、深刻さの揺り戻しが良いのかもしれません。

ストーリー的には主人公(?)の笑太が中心のためか、今ひとつ岸部が何でああなっちゃったのか、というのがわからず終いだったのが惜しいですが、どんな世界にあっても真の一流には、傍から見れば変人・奇人・ロクデナシ、って人っていますよね。
この二人は正に、そういう「普通でないから人より優れてる」存在になり得るのかもなあ、など思ったり……

岸部の過去も含めて、続編の話を見たい気もしますが、これっきりで終わった方が綺麗に纏まっていて良いのかなあ、と言う思いもあって複雑。
終盤、「リンガフランカ」というタイトルの意味が説明されるシーンは、結構感動しました(ノДT)ホロリ