おおきく振りかぶって 2巻

この漫画のためだけに月刊アフタヌーンを買うようになってしまった漫画。
帯の「絶対に面白い高校野球漫画」って煽り文句が実に挑発的ですが、いや本当に面白い。
球漫画の大半は、主要人物による超人的なプレーで魅せるタイプか、地味に頑張る姿を描くタイプが多いと思うのですが、この作品はどっちかと言うと後者。
ただ、この作品の凄い所は地味ながらも、野球の細かいテクニック、ただ見てるだけではわかり難い、でも野球をやってる人ならわかる良い動きを細かく描いている。
とは言っても、野球をやってない人でも何となく「へえ、プレーしてる人はこんな事考えながらやってるんだ〜」と、納得させてくれそうな簡潔ながら、わかりやすい描き方をしてくれてます。

登場キャラクターも中々に曲者揃い。
特に中心となる投手の三橋廉と、捕手の阿部隆也のコンビが良い。
三橋は物凄く泣きべそで、自分にまったく自信が無い少年。
逆に阿部は自信家で、投手、チームを自分の意のままに操って勝つ事を目指して、無名高に入ってきた少年。
投手は自分勝手な人種ばかり、とやや偏見を持っています。

今までとまったく違った投手を前に、接し方に戸惑う阿部。
無能(だと思っている)な自分は阿部に迷惑を掛けてると思いながらも、投手への魅力を捨てきれない三橋。

阿部はすぐに三橋の投手としての類稀な資質を見つけ、彼を励ましつつ引っ張って行きます。
そうした交流の中で、投手に偏見を持っていた阿部もまた「信頼される」事に喜びを感じる姿が良いです。

……って言うか三橋くん、可愛過ぎですよ(爆)
いや、そっちのケは無いはずなんですが、もう見てて頭撫でてやりたくなるような子犬系キャラなんですよ、三橋は(^^;

2巻は1巻からの続きで、三橋の中学時代のチームメイトとの練習試合が決着します。
良くも悪くも今の歪な三橋という投手を作ってしまった元チームメイトへの未練と決別への流れが爽やかで良かったです。
また今後に彼らもパワーアップして再登場してきて欲しいですね〜。